グーグル占いによれば、PIC32MX210F016BによるUSBデバイスの実装例は、ほとんどないようです。 誰も扱っていないということなのでしょうか。
PIC32MXのMIPS CPUにはシャドウセットと呼ばれるレジスタバンク機構があります。 PIC32MXにおけるシャドウセットの選択は割り込みコントローラEICに紐づいているはずです。 EICについてはMIPSのマニュアルには書かれておらず、PIC32MXのリファレンスマニュアルを参照しなければなりません。 シャドウセットを切り替える方法は、割り込みまたは例外を発生させるかまたはそこから戻ること、それだけのようです。 シャドウセットはそれを使用する前に初期化しなければなりません。
シャドウセットがどれだけ装備されているかはSRSCtlレジスタに収録されます。 なのでランタイムに知ることができます。
ソフトウェアはPSSフィールドにシャドウセット番号を書いた後に ERET命令を実行することで目的のシャドウセット番号に推移することができるとされています。 もちろんERETするわけですからEPCを書いておかなければなりません。 このような処置を実行するのは極めて例外的な状況でしょう。
PSSで示されるシャドウセットにアクセスするための命令は用意されていて、 RDPGPR命令で読み出すことができ、 WRPGPR命令で書き込むことができるとされています。 たとえば割り込みルーチンはRDPGPR命令を使って、割り込む直前のスタックポインタを現在のシャドウセットに転記しなければ正しく動作することはできません。 また、割り込みルーチンを正しく動作させるためには、事前にWRPGPR命令でグローバルポインタを各シャドウセットに対して初期化しておく必要があります。
AT90S2313にはPCINTはありません。 ATmega8にもPCINTはありません。 旧来から用意されているINTピンがあるだけです。 INTピンを使わないのであれば伝統的な実装方法でもって対処し、ぐるぐるポーリングする必要があります。 INTピンは外部割り込みの名が示す通りレベルトリガで使うことが基本となるため、 エッジトリガで使うには適していません。 PCINTはエッジトリガを基本としていますので、応用によってはINTピンよりも使いやすいと考えられます。
ここで、もしピンの入力が機械的な接点の場合は、どうしてもチャタリング除去の必要があります。 このための定石としては、タイマー割り込みで入力ピンのサンプリングを行うと良いと言われています。 チャタリングの過渡的な時間よりも十分に低い周波数であり、 かつ有効な信号よりも十分に高い周波数でサンプリングすれば良いという考え方です。 たとえば、秋月に扱いのあるロータリエンコーダは1回転あたり24デテント*2エッジで合計48エッジの信号を出すと期待されています。 ここから、おおよそ2倍の余裕を見て100Hzの周波数でサンプリングすれば大丈夫そうだ、と見積もれます。 100Hzが過分なのか不足なのかはオシロスコープで観察して評価する必要があります。 いずれにせよ、このような対応を採用する場合はタイマ駆動をするので、PCINTの出番はありません。
結局のところ、HIDを実装する程度の目的であれば、タイマ割り込みがあれば良いのです。 PCINTを持ち出す必要性は薄い、ということになります。 サンプリング周波数を設定する対応が難しい場合は、ハードウェア的に対処しなければなりません。 ハードウェアで対処した上で割り込み駆動をしたいとなった場合は、 そこでようやくPCINTの出番だということになります。
噂のU-THマーキングはMicrochipの仕様変更ではないかと思われます。 country of originでThailand製を表しているのではないかということです。 U-KRマーキングやU-TWマーキングの噂もググると見つかりますので、探してみると良いのではないかと思います。