NetBSDにおけるZFSの利用が成熟するに従って、制約事項が報告されるようになりました。 まず、NetBSDのZFS実装は2018年ごろに行われたインポートを最後に更新が停止しており、 そこからのNetBSD固有の不具合修正に追われているらしき状況にあります。 当面、ZFSとしての最新コードへの追従は期待できません。 ここで実用上重要と思われるのは、NetBSDが採用する版ではSSDへの対応が行われていない点です。 これの対処としては、通常、SSDのオーバープロビジョニングを行います。 OS起動ドライブに領域を間借りするならともかくデータドライブでそれをするのは手間が掛かるという問題が発生します。
次にカーネルがメモリ不足に陥るとZFSの影響でカーネルが死んでしまうと報告されているようだ、 という点があります。 仮想化する場合は通常はメモリを下限ギリギリに取りますが、ZFSを利用する場合はそれができないことになります。 16GB以上が必須であり32GB程度は取ることが推奨らしいので、 動かしたいパソコンの世代にもよりますが、NetBSDでZFSを試すならベアメタルで動かすべきでしょう。
ZFSとして期待される機能を優先して実用することが目的であれば、 NetBSDはあきらめて最新のZFS on LinuxまたはFreeBSDを素直に使ったほうが良いだろうという状況にあります。 仮想化したい場合は特にそうです。 NetBSD/amd64ありきでファイルシステムを選定するならZFSはお勧めできます。 小型シングルボード系への移植はまだ絶望的です。 ZFSありきでOSを選定するならNetBSDはお勧めとは言い難いように思います。
ハイパーコンバージドな環境を作って壊して遊ぶのであればCephは良い選択です。 しかしCephはスケールこそするとされていますがHDDの速度を改善する効果はない、むしろ遅いと言われています。 高価なSSDを少数使うしかないとなれば、ZFSで集中ストレージを構築してNFSで共有したほうが良いかも知れません。 Cephは多ノード環境で使うべきソリューションであって、少ノードで使うべきものではないのでしょう。
インテル製品はOSカーネルからのサポートに定評があります。 それからI225はクアッドキューまで持つことができます。 ただしVLANを組んで使う時にどこまで有効なのかはよくわからないところがあります。
リアルテック製品は伝統的にシングルキューです。 デュアルキューまで対応しているのではないかという話がなくもないですが、 このあたりで目立つ話はありません。 CPUパワーでゴリ押しできるであるとか、 シングルタスクであるとか、もしくはLinuxカーネルに限定するなら検討しても良いデバイスであると思います。 安価であるのが特徴であり、オンボードデバイスとしてよく見かけます。 NetBSDカーネルはリアルテック製品に関してIPv6チェックサムのオフロードを提供しません。 IPv6を使う予定が考えられるなら避けたほうが良いでしょうが、IPv6を検討材料にするのは今はまだ稀な事例であると思われます。
NICに関してジャンボフレームが話題になることがあります。 この場合、互換性の観点からMTU 9000以外を検討する必要はありません。 リアルテックで16Kまでサポートされているとかはどうでもいいのです。 NFS over UDPで8192byte/blockがサポートされているかどうかが問題になるときに使います。 TCPでもパケット数が減らせるというメリットがあります。 NetBSDはリアルテック製品に関してジャンボフレームのサポートを提供しません。
それでNICとしてどちらを買うか。 LinuxをベアメタルOSに採用するならインテルNICに拘る理由はあまりないのではないか、というところに辿り着きます。 リアルテック製品でお安く済ませておいても良いのではないかと思いました。
秋月で白色のカソードコモンタイプが山盛りのようにワゴンセール扱いになっていました。 赤色のカソードコモンタイプがあっさりと売り切れていた様子であることを見ると、 白色系統のVFが大きい製品はあまり人気がないのでしょうか? という印象を持ちました。 VFが3.3V前後あるので、必然的に3.3V電源の回路では扱えないというのは確かです。 エミッタフォロワ駆動するのも厳しいので、必然的にFET系のトランジスタアレイを使うことになるでしょう。
Windows11やWindows Server等のためにバイナリ配布物が必要な場合は、 Intelが配布しているcomplete driver packなるものを入手し、展開して使えば良いのだそうです。
RHEL10世代がサポートするプロセッサはx86-64-v3まで足切りが進みます。 その次の世代で足切りされると設備の買い替えになってしまいます。 厄介なものですね。
APU2はIntel i210ATを採用しています。 APU4はIntel i211ATを採用しています。 前者は4 queueに対応しているのに対し、後者は2 queueにしか対応しません。 APU4をNetBSDで動かしたときのパフォーマンスはシングルセッションで300Mbps前後です。 2 queueだろうが4 queueだろうがシングルセッション計測では1 queueしか使いませんから、 普通のスピードテストではどちらも大差はないはずだと考えられます。 いずれにせよ、300Mbps程度しか出ないのであっては、NetBSDを使うならサーバ用途に限定されると考えたほうが良いでしょう。
APU2やAPU4をVyOSで使ったときのパフォーマンスは未計測です。 類似品であるEdgeRouter Liteの1Mppsという数字を援用するなら、1Gbps程度を期待して良いのではないかと思います。
子供の頃はコネクタなしに接続していたのですが、手を入れるときに不便だなというのは電子工作をする誰もが経験するところだと思います。 そんなこんなで、圧着ペンチを手に入れてからは2.54mmピッチのデュポンコネクタ(組み立てパソコンでおなじみのアレ)を使ってきました。 デュポンコネクタは自由で取り回しやすいということの反面、誤接続しやすいという難点があります。 特に極性を気にする電源系統に使うのはちょっと怖いものがありますね。 それで、JST系統のXHコネクタを今後は使おうと考えています。
小売されるコネクタは、意外に高価な製品です。 ひとつひとつは10円程度ですが、意外に数量を使うことから、チリツモで高額になりやすいというのが課題です。
ハーネスは自前で揃えると加工が大変なので、完成品で済ませたいところです。 それからJST系統のコネクタは2.5mmピッチであって2.54mmピッチではありません。 グリッドに乗っていないのです。このため、2ピン3ピン程度であればいいのですが、多ピンのコネクタは万能基板に取り付けられません。 プリント基板を業者に頼むところまでセットになってくる点には注意が必要です。
HPE ArubaとヤマハのWLXでは、後者の方がよく練った設計で出してくるのでお薦めとしておきます。
ダミーロードにするならべつに安い方でいいや、という感じです。 それで33Rの抵抗を調達することにしたのですが、1W型を選ぶと金属皮膜抵抗だろうが炭素皮膜抵抗だろうが値段が同じなのです。 それなら実装の易しい小型のほうが良いだろうということで、上位互換の金属皮膜抵抗を調達することにしたものです。
金属皮膜抵抗器は品種によってかなり値上がりしており、 1本5円を超えることも珍しくなくなってきました。 価格の動向に注意する必要があります。 超小型品を選ぶという手もありますが、カラーコードが読みづらいので、扱いに困ります。 なるべくなら普通サイズのものを使いたいところです。
秋月の商いの中心はカソードコモンみたいですね。 通販だと平等に出てきますが、店頭に並んでいる品物はカソードコモンが中心であるかのように見受けられました。 どちらが売れているのかは情報がないのでよくわかりません。 回路設計としてはコモンドライバをシンク側に持ってくることができるカソードコモンのほうが有利だと考えられます。 セグメントドライバとして通常のGPIOを使うと思えば、今どきのマイコンはC-MOSレベルなので、十分に高い電圧を掛けられるはずです。 さらには正論理でプログラムが書けるというおまけも付きます。
昔はTTLに沿うLEDといえばアノードコモンでしたし、 実際にセグメントドライバをトランジスタアレイICで駆動するのであればアノードコモンの選択になるのが普通でした。 今どきはカソードコモンが優勢にあると考えてよいのでは、と思います。
カソードコモンで設計する場合、セグメントドライバとしてはソース駆動のできるトランジスタアレイを準備すれば良いと考えられます。 ダーリントントランジスタの場合はVCEというか電圧ドロップが激しいため、 D-MOSタイプのものを選ぶのが良いだろうと思います。 BOMコストはトランジスタアレイの有無であまり変わりませんが、 実装の手間を考えると積極的にトランジスタアレイを採用したほうが良いのでしょう。