PIC16F1455はUSBが扱えることになっている小型マイコンです。 特徴的と言えるのはjalv2とjallibの組み合わせでUSB CDCの実装ができるであろうと見込まれていることであり、 USBシリアルを置き換えることができると期待できることです。 デバイスの単価280円はちょっと高い気がします。 通常のAVRでは2石構成になるところが1石で済むというのはコストメリットが見込めるのかな、と言って良いかも知れません。 PIC16F1455を使うかどうかはデバイスの単価次第といったところです。 これ以上に値上がりするようであれば、急速に採用すべき地位を落とすでしょう。
このデバイスに対する書き込み手段についてはLVPを考えています。 タイミングを見る限りアンロックシーケンスに時間制限は無いようですから、 シリアルポート経由でbitbangすることによって書き込めるのではないかしら、と考えています。
jalv2 (just another language version 2) の処理系は配布物そのままではgcc 14でコンパイルできませんでした。 ごそごそと修正することで、コンパイルは通りました。 コード生成ができるかどうかはまだ試していません。 それで後から気がついたのですが、jalv2は本家(?)での保守は終わっていて、今はjallibの一部としてほそぼそと維持されているんですね。 なのでjallibのリポジトリからgit cloneしていれば、パッチは何もせずコンパイルできたかも知れません。
jalv2は自由なコンパイラの一種であり、PIC16F84(A)のためのコードを吐くことができるとされています。 デバイスの定義が豊富に用意されており、 それらのレジスタ定義等はUSBにも対応するようなので、PIC16F1455等の筋のデバイスを使うときは重宝するかも知れません。 最適化は最低限やってくれるようですがあまり期待しないほうがいいでしょう。 対抗馬のAVRに対応するgccはアルゴリズムを差し替えるかのような勢いで曲芸的な最適化をしてくれます。 簡素で伝統的なコンパイラであるjalv2にgccのような最適化を求めるのは酷というものです。
jalv2の保守が消極的なのは、アプリケーションを長期的に維持するべきユーザにとっては福音でしょう。 jalv2ではコンパイラのコードベースにおいてC言語に対する忠実度が高いので、 そう簡単にはコンパイラの供給危機は起こらないと考えています。
久しぶりにトラ技を買いました。 今号はプリント基板の制作が特集されています。 「はじめての」をお題にするなら、フレッシャーズ特集にしてKiCadの使い方をみっちり説き伏せても良かったのではという気もします。 まあそれだと玄人が買ってくれないのかしらね。 次号はUSBを特集するようです。 Windowsが前面に出ていますのであまり期待していません。 ハードウェア制作に役立つ資料になるなら買ってみてもいいかなと思います。 立ち読みせずに買うのは危ない感じがします。
トラ技は娯楽の読み物としては楽しいのですが、 応用するとなると「うーん」となることが多いような気がします。