DS-LiteはVyOSにおいて収容実績があります。 DS-LiteのメリットはCPEがシンプルに構築できる点にあります。 VyOSをルータにするならDS-Liteは良い選択と言えます。 DS-Liteはポート開放ができないことから、内側にサーバを立てることはどうやってもできません。 それから利用できるポート数の合計が1024と少ないため、 同時接続数が大きくなると考える用途には向きません。
DS-Liteの場合はCPE観点のパラメタがAFTRのIPアドレスぐらいしかないので、 CPE側の設定は難しくありません。 罠があるとすればAFTRのIPアドレスそれ自身は明示的には公開されておらず、 IPv6でプロバイダ側のDNSサーバを引かなければわからない、 ということぐらいです。 DS-Liteを不自由なく使い倒すコツは、内部に対するIPv6アドレスの配布を惜しまないことです。 トラヒックの半分がIPv6に逃げるとしたら、 それは利用できるポート数が増えたことと同じです。
MAP-EはVyOSにおいて収容実績がありません。 MAP-Eの主なメリットはプロバイダ側に存在し、プロバイダ側設備がシンプルで済む点にあります。 ユーザ側のメリットはMAP-Eの原理としてNATをCPE側で実装するところにあります。 セッション数制限対策をルータ側で工夫する余地があるため、 おおよそ1名分と考えられる240ポートしか使えなくても、 接続先が散ればその分だけ等価的に増えます。 MAP-Eであれば大家族でもIPv4が同時並行的に使えるかもしれないという期待が持てる点は、 セッションを枯渇したらもう何もできないDS-Liteとは傾向が異なると言えます。
MAP-Eについてはプロバイダ各社マチマチで統一性がありません。 さらにCPE実装に必要とされる情報の公開が進んでいません。 日本国内で提供されるMAP-Eで満足な結果を得るには、 基本的には市販のルータを買う必要がある、と考えています。 MAP-E回線でルータを組むならOpenWRTを使えばワンチャンあると言われますが、 個人的に経験はありません。
市販のルータで満足しようとするとヤマハのRTXぐらいしか選択肢がありません。 残念ながら高価であり、10年程度は見込めるとはいえ、賞味期限があります。 コスパを考えるとプロバイダにMAP-Eを選ぶのは負け戦になりやすいと言えます。
VPSで運用しているNetBSDサーバのファイルシステムを FFSv1からFFSv2に差し替える工事をしました。 NetBSDでは、今のところ何も考えないでnewfsを実行するとFFSv1になります。 今後はシステム構築時に少し気を使う必要があります。
2038年までにはまだ十分な時間があります。 10年もすれば何かしら入れ替えをするはずです。 今すぐFFSv2に切り替える必要はないと言えるでしょう。 しかしデータ用ドライブは10年ぐらい使ってしまうかもしれません。 そのような可能性があるなら今のうちにFFSv2に移行するか、 あるいはZFSを採用しておくべきです。
NTTフレッツ光ネクストはそのままではDHCPv6-PDには対応しません。 市販のルータがIPv6ブリッジで設計されているのはこれが理由と考えられます。 64bitプレフィックスではサブネットを作ることができません。 重箱の隅をつつくようなことを言えば無理やりサブネットを作ることは可能ですが、 64bitよりも長くなるとSLAACが事実上使えなくなるのでIPv6として使い物になりません。
フレッツ光ネクストの場合は「ひかり電話」を追加するとDHCPv6-PDを使って 56bitのIPv6プレフィックスが配られます。 そこでは64bitとの差分である8bitを使って256本のサブネットを作ることが許されます。 DHCPv6-PDをHGWで受けなければならないという決まりはありません。 DHCPv6-PDをヤマハルータやVyOSルータで受けることもできます。 フレッツ光ネクストで必要なのは「ひかり電話」の契約です。 フレッツ光ネクストにおけるIPv6の基本的人権には、 550円/月の費用が追加でかかるということができます。
フレッツ光クロスの場合は「ひかり電話」を付帯しなくてもDHCPv6-PDを使って 56bitのIPv6プレフィックスが配られます。 魅力的に見えますが、冷静に考えて、 ほとんどの場合で10Gbpsのインターネットは帯域を持て余します。 レンタルサーバ等は100Mbps限定であることが多く、 回線で頑張っても速度は出ません。 ですから個人的には「光クロス」の契約はお勧めしません。
ひかり電話の電話機能を使うには通常はHGWを頼ります。 ヤマハのNVR510を与えておくとHGWが要らないため、 レンタル費用を節約できます。 ひかり電話それ自体はIPv4 DHCPで動作します。 ですからIPv6を利用する装置が別にあっても電話には干渉しません。 NVR510の電話機能は限定的なので、 ひかり電話としての機能を使い倒したいのであればHGWの契約をお勧めします。 もっとも、昼夜を問わない迷惑電話が氾濫する今の時代に 着信で音が出る固定電話機を置くのは時代遅れであり、 あまり良いアイデアだとは思いません。 契約は550円ぽっきりにしてIPv6だけを使っても問題ないでしょう。
NURO光はONUとルータが一体型のHGWとしてCPEが提供されるため、 利用者側のルータ機能を交換し拡張することができません。 これは技術者が使う家庭用回線としては致命的にNGなのではないか、 という結論になりつつあります。 IPv6でしかアクセスできない制約を付けたサーバを構築することを 当然のように実施している身としては、 IPv6のセグメントでまともにLAN分割できないプロバイダは扱いづらいです。 Linuxで構築されたルータであればIPv6マスカレードという手段が存在しますので IPv6でNAPTすることは不可能ではありません。 しかしIPv6でのNAPTは通常では想定されません。 IPv6マスカレードに手を付けてしまうと互換性に課題感が残るでしょう。
ビジネス用のプランであれば56bit以下のプレフィックスが手に入ると思います。 ビジネス用のプランは高価ですから、 ルータを交換できるという条件で比較すると、 NTTフレッツのほうが有利なのではないかと思われます。